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レジリエンスエンジニアリング

組織分析と言う新しい考え方が出てきている。すなわち、いわゆる故障やエラーを分析するのではなく、逆に頻繁に例があるうまく対応した事例を分析したらどうだろう、という観点が最近の事故分析の中では出てきている。そのキーワードが、「柔軟で復元力がある」という言葉で表される‘レジリエンス’概念である。これはリスクマネジメントの中で、「複雑かつ変化していく環境に対する組織の適応能力」と定義されている。おそらく、「流れ橋」みたいにすぐ復元できる仕組み、あるいはことわざとしてある「柳に雪折れなし」のように影響を受け流す構造、このようなものがレジリエンスだと考えられている。  この考え方を工学応用しようとする‘レジリエンスエンジニアリング’という言葉があり、リスクマネジメントのJISで「システム環境は変化しても、破局的な状況を回避しつつ動作を継続させることを目的とする方策」と定義されている。その中では、事故の予防、事故に至らない対策、あるいは事故の悪化を防止した行為、あるいは緊急時に柔軟な組織対応をした、そういう良好事例を見ていこうというものである。この考え方は、実はヒヤリハットの精神そのものであるが、いずれにしても新しい分析方法が考えられている。

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